三重県津市・亀山市・伊賀市を中心に、道路改良工事や河川改修、土地造成、エクステリア工事を手がける結希建設株式会社です。近年、建設業界において2050年カーボンニュートラル実現に向けた環境対応が急務となっており、三重県内でも脱炭素化に向けた取り組みが本格化しています。本記事では、建設業界におけるカーボンニュートラルの現状と、三重県での環境対応工事の実践について詳しく解説いたします。
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建設業界におけるカーボンニュートラルの重要性
建設業界は日本のCO2排出量削減において極めて重要な役割を担っています。政府が2050年カーボンニュートラル実現を宣言する中、建設業界での脱炭素化は国家目標達成に不可欠な要素となっています。
建設業界のCO2排出量の現状
国内のCO2排出量における建設業界の位置づけは深刻な状況です。建設業(建築業含む)・製造業などを含めた産業部門は全体排出量の約3分の1を占めており、その中でも建設工事現場における燃料燃焼からは年間約1,147万トンのCO2が排出されています。
「参照:環境省・2020年度温室効果ガス排出量」
注目すべきは、建設業から排出されるCO2は施工時だけでなく、施工後の建物運用時の排出量がより多いという事実です。業務その他部門で17.4%、家庭部門で15.9%と、合計で産業部門に次ぐ高い割合を占めています。
国の政策と建設業界への影響
国土交通省は「国土交通グリーンチャレンジ」を策定し、2050年カーボンニュートラル実現に向けた重点プロジェクトを推進しています。日本建設業連合会も2030年度に施工段階におけるCO2排出量を40%削減することを目標に掲げており、軽油代替燃料や革新的建機の普及を前提とした取り組みを進めています。
2024年5月に国土交通省がCO2排出量試行ツールを作成・配布し、建築から解体まで建物のライフサイクル全体を通じたCO2排出量の算出が可能になりました。これにより、建設業界での具体的なCO2削減計画の策定が促進されています。
三重県での環境対応工事の取り組み
三重県は2050年カーボンニュートラル及び2030年温室効果ガス46%削減に向けて、県独自の脱炭素化推進政策を展開しており、建設業界においても環境対応工事が本格化しています。
三重県の脱炭素政策
三重県では「脱炭素社会推進本部」を設置し、総合的な脱炭素化施策を推進しています。特に産業拠点である港湾において、津松阪港及び尾鷲港で「港湾脱炭素化推進協議会」を設置し、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを進めています。
地域での具体的な環境対応工事
津市・亀山市・伊賀市などの三重県内各地では、環境配慮型の土木工事が増加しています。道路改良工事では低炭素型アスファルトの使用、河川改修工事では生態系保全を考慮した工法の採用、土地造成工事では雨水浸透技術の導入など、地域特性を活かした環境対応が実践されています。
エクステリア・外構工事においても、県産材の活用や透水性コンクリートの使用、LED照明の導入などにより、施工段階から運用段階まで一貫したCO2削減を図る取り組みが広がっています。
実践的なCO2削減対策
建設工事の各段階において、具体的で実効性の高いCO2削減対策の実施が求められています。技術革新と従来工法の改良により、実現可能な削減効果を上げることが重要です。
施工段階でのCO2削減
施工段階でのCO2削減は、建設機械の選択と運用方法が鍵となります。国土交通省が創設した「GX建設機械認定制度」により、電動建設機械や低炭素型建設機械の導入が推進されています。また、工期短縮による燃料消費削減、DX技術の活用による効率化も重要な対策です。
環境配慮型建設資材の活用
低炭素型コンクリートや再生資材の活用により、資材製造段階でのCO2排出量を大幅に削減できます。カーボン・リサイクル・コンクリートの使用や、地域産材の積極活用により、運搬による排出量削減も実現可能です。
三重県内では、県産木材の活用や地域特性を活かした天然素材の利用により、環境負荷を最小限に抑えた工事が増加しています。また、リサイクル材の活用により循環型社会の形成にも貢献しています。
日本建設業連合会の調査によると、2022年度実績では1990年度比でCO2排出原単位39.8%減、CO2総排出量68.7%減を達成しており、施工段階での削減効果が実証されています。
三重県建設業界の今後の展望
三重県の建設業界における環境対応は、技術革新と地域特性を活かした取り組みにより、着実に進展していくことが期待されます。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、継続的な努力と投資が重要な要素となります。
建設業界のカーボンニュートラル実現は、単なる環境対策ではなく、持続可能な地域社会の構築と企業の競争力向上に直結する戦略的取り組みです。三重県内の土木工事・エクステリア工事においても、環境配慮型工法の導入により、地域の自然環境保全と経済発展の両立を目指していくことが重要です。
今後も技術革新と制度整備が進む中、建設業界全体での脱炭素化の取り組みが加速し、持続可能な社会の実現に向けた貢献が期待されます。